ウ蝕(虫歯)治療
歯の詰め物(黒字のものが保険適応治療、赤字は自費治療になります)C1~C2
臼歯(奥歯)前歯により、また虫歯の場所や、その大きさにより様々な詰め物を選択します。代表的な詰め物をご紹介いたします。
高分子化合物(プラスティック)
お口の中で直接詰めていくことが多い詰め物です。歯と近い色調をしているために目立ちにくいのが特徴ですが、現在はかなり強度のあるものが開発されていますが、それでも臼歯(奥歯)の咬み合わせの面など大きな力がかかる部位など割れたり擦り減ったりしてしまうことがあるのが欠点です。また着色しやすい性質があるなど経年的な劣化は否めません。
金属
虫歯の大きさが中等度以上であり、また臼歯(奥歯)の咬み合わせの面など力のかかる部分に適応されます。永久歯(大人の歯)には主として金銀パラジウム合金、乳歯(子供の歯)には銀合金が保険適応治療となります。保険適応外(自費治療)の金属として、金合金を用いることもあります。金合金は非常に適合性に優れ、ウ蝕の再発防止に一定の効果があります。
ハイブリット
セラミックとプラスティックの中間的な性質を有する物質で、通常のプラステックと比較して、着色しにくいのが特徴です。
セラミック
色調再現性に非常に優れた物質であり、極めて目立ちにくい材料です。また表面的な着色は起こることがありますが、プラスティックと異なりそのものが染まってしまいませんので、表面に着色してもすぐに除去することが可能です。ただしとても硬い(歯よりも硬い)ので歯ぎしりなどの癖のある方にはおすすめできません。
歯の被せ物(黒字のものが保険適応治療、赤字は自費治療になります)C3~C4前期
虫歯が広範囲にわたり部分的な詰め物では機能回復が望めない場合に、被せ物をして機能を回復します。代表的な被せ物をご紹介します。
金属
保険適応となる金属には数種類ありますが、多くは金銀パラジウム合金を用います。金銀パラジウム合金はその特性上、経年的に接している歯肉(歯ぐき)を黒くしていくことがあり、これが欠点とはいえます。審美的な影響の少ない臼歯に用いられる材料です。またそういった欠点を補うために、保険適応外(自費治療)として金合金をご選択いただくことができます。下図は保険適応の金銀パラジウム合金の金属冠と自費治療の金合金の模式図です。
前装鋳造冠
上下共に犬歯(糸切り歯)より前の歯は、保険適応治療として、金属の上に歯の色に合わせたプラステックを盛り上げて、審美的回復を図ることが認められています(臼歯部は保険適応が認められていません)。
保険適応外(自費治療)としては、金属の上につける材質を色調の変化のより少ないハイブリットや、色調の変化がないセラミックをご選択いただくことも可能です。また、使用する金属も歯肉を黒変させないよう金合金をご選択いただくことにより、より審美的な処置をご選択いただけます。
オールセラミック
歯は意外と透明感のある物質です。金属を用いずに透明感のあるセラミックのみで作成することにより、より高い審美性を実現することが可能です。
下図は、オールセラミックの模式図です。
抜髄(神経の処置)C3~C4前期
ウ蝕度第3度、第4度(C3,C4)の状態に至ったら、歯髄(神経)を除去して消毒を行い、土台を入れたのちに被せ物をします。下図は治療の一例です。
土台の材質は、保険治療では金属または、プラスティックと金属のピンを併用したものを用います。保険適応外(自費治療)では、残った歯にやさしい、強化繊維を用います。